Webサイトを制作して公開した後に「ホームページ管理を外注したいけれど、何をどうしたら良いのかわからない」「保守管理・運用代行の業務を制作会社に委託する際の費用感が気になる」といった悩みを抱える企業や個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
ホームページを制作したらそこで完結するのではなく、公開後は長期間に渡って運用・保守・管理を行うことが重要となります。
そこで、この記事ではホームページ管理の具体的な作業内容、制作会社に委託するメリットや注意すべきポイントについて詳しく解説します。制作会社にホームページの管理を委託する際の管理費・維持費の費用相場もお伝えしますので、社内で予算を立てる際にはぜひ参考にしてみて下さい。
「ホームページの管理で何をどこまで外注すれば良いの?」と戸惑っている方にも、この記事を最後まで読んでいただくことで、自社の求めるニーズに見合う最適な選択肢が見つかるはずです。
ホームページの管理とは?運用や運営について解説
ホームページは企業やお店にとって「顔」とも言える存在。
ホームベージを制作して公開した時点で最終ゴール地点に到達するのではありません。公開後からは運用・保守・改善といった管理業務が本格的にスタートとなります。
ホームページの制作後に適切な管理を行わずに放置しておくと、掲載された情報が古くなり、ユーザーに不信感や不快感を与え、信頼を損ねてしまう恐れもあります。
企業やお店の信頼性を高め、安全に運用するためにはホームページの管理は必要不可欠となります。
ここでは、ホームページの管理の概要として、管理・運用・運営の観点から詳しく解説します。
ホームページ管理の概要
「ホームページの管理」とは、Webサイトの安全性や品質、機能性・利便性を維持するために中長期的に継続して改善する作業全般を指します。
管理業務では、
・Webサイトの運営における技術的・事務的な管理
・ホームページに掲載するコンテンツ (記事や画像) などの管理
に区分されます。
自社のホームページを安全で正常な状態に維持して、運用目的や目標に合わせて有効活用することが重要です。
次に、ホームページの運営・運用、管理の必要性について掘り下げていきます。
ホームページの運用
「ホームページの運用」とは、Webサイトを中長期的に運営していく上で継続的に行う管理作業で、主に保守・更新・改善などの業務です。
・記事コンテンツの更新作業
・画像 (写真・イラスト・表・グラフなど) の差し替え
・新着情報の追加・修正作業
・ユーザーからのお問い合わせ対応
たとえば、ホームページの公開後に営業時間や定休日などの基本情報に変更箇所が生じた場合は、速やかに修正・変更します。
WordPressやEC-CubeなどのCMS (コンテンツ・マネジメント・システム) でホームページを制作した場合は、テーマやプラグインなどのアップデート作業、商品情報の入れ替え作業も必須となります。
何もしないで放置すると、システムが正常に稼働しなくなる恐れがあり、商品の売上が下がるなど、さまざまなリスクをもたらす恐れがありますので注意が必要です。定期的にホームページの運用を適切に行うことで、ユーザビリティと信頼性の向上効果が得られ、ビジネス上の大きな成果に繋げることができます。
ホームページの運営
「ホームページの運営」とは、Web戦略の観点からWebサイトを効果的に活用するための管理業務です。平たく言えば、ホームページの運用は「方向性を定めるための舵取り」的な役割を果たしています。
・Webサイトの目的や目標に合わせてコンテンツの方向性を検討する【コンテンツ戦略の立案】
・KPI(重要業績評価指標)・KGI (重要目標達成指標) を設定して目標達成を図る【戦略的な目標設定】
・Googleの検索上位に表示されるためのSEO対策
・ホームページとSNSとの連携【多くのターゲットにリーチ】
ホームページ管理の必要性
ホームページを公開してそのままほったらかし状態にすると、適切な運営・運用ができなくなります。システムが正常に稼働できなくなり、セキュリティの脆弱性が発生することもあります。
とくに近年は大企業だけではなく中小企業やお店のWebサイトにもサーバー攻撃を受けるケースが急増しています。有料SSLの契約期限切れや、CMSのアップデートをしなかった場合、外部から攻撃を受けやすくなります。会員制サイトの場合は、顧客の個人情報が外部に漏洩するリスクがあり、信頼を失う恐れもあります。
Webサイトを安全な運営を継続するためにも、ホームページの管理は極めて重要となります。
ホームページ管理の業務範囲は広く深く、すべての作業内容を完璧にこなすには時間と労力がかかりますが、管理業務を継続的に綿密に行うことで、Webサイトの品質と価値を高めることができます。
ホームページ管理の具体的な内容|コンテンツの更新作業~トラブル対応まで
ホームページを公開した後に必要不可欠となるのが管理業務です。
ホームページの管理では、ユーザーに対してストレスを与えることなく、安全で正常な状態を維持するために行う作業と、自社の目的や目標に合わせて適切に運用すること、この2つの作業工程が含まれます。
さらに、ホームページ管理業務における具体的な作業として、主に以下の内容が含まれます。
・コンテンツの更新作業 (最新情報に書き換え・新着情報やキャンペーン情報の追加・ブログ記事投稿など)
・機能の改善やページ改修 (読み込み速度の改善・視認性の向上・レスポンシブ対応など)
・アクセス解析 (サイト訪問者数・各Webページの閲覧回数・直帰率・流入経路・CV数など)
・お問い合わせ対応 (お問い合わせ内容のデータ集計・不具合の修正・EFO = エントリーフォーム最適化など)
・トラブル対応 (不正アクセス・データ消失・サーバーダウンなど)
・ドメイン・サーバー管理 (契約期限切れに注意・プログラムのバージョンの管理など)
・システム調整 (バージョンアップ・アップデート・動作確認・セキュリティ対策など)
ここでは、ホームページ管理で実際に行うべき主な業務と作業内容について、さらに深堀りしていきます。
コンテンツの更新作業
ホームページに掲載された情報を常に最新の状態を維持していくために必要不可欠となるのが、コンテンツの更新作業です。
ホームページにおけるコンテンツとは、サイト内に掲載されたテキスト (文章・文字)・ブログ記事・画像 (イラスト・写真・データ・グラフ・表など)・音声・動画などの可視化された情報や音声で聞き取れる情報全般のことを指します。
・期間限定のキャンペーン情報やセール情報のお知らせ
・製品やサービスの変更 (新製品の紹介・製品やサービス内容の変更など)
・ブログ記事や新着情報の投稿・修正作業
・企業やお店の基本情報の変更 (営業時間・定休日・所在地・交通アクセス・地図・電話番号の変更など)
ホームページの公開がスタートしてから上記の内容に変更があったにも関わらず、修正や更新作業を怠ってしまった場合、ユーザーには間違った情報や古い情報が伝わるため、不安感や不信感を与えることがあります。定期的にコンテンツの更新作業を行うことで、企業活動が活性化している様子が伝わるため、多くのユーザーからの注目を集め、安心感を与えることができます。
また、コンテンツの更新はユーザーからの信頼度を高めるとともに、Googleから高評価を受けることでSEO効果に直結するため、Web集客施策としても有効性が高く、まさに一石二鳥です。
機能の改善やページ改修
ホームページの管理では、機能性や利便性を高めることも重要となります。
Webサイトのデザインを新しくリニューアルして見た目を良くするだけではなく、ユーザーの使いやすさ (ユーザビリティ) に着目して、適切な施策を行うことで、UX (ユーザー体験) の向上を図り、自社へのお問い合わせや商品購入などの積極的な行動に直結します。
・各Webページのソースコードや画像の最適化で読み込み速度を改善する
・ナビゲーションメニューやボタン、バナーの配置を変更する
・Webデザインをリニューアルしてユーザーの視認性向上を図る
・スマホやタブレットでも快適に閲覧できるようにレイアウトを調整する (レスポンシブ対応)
WordPressでホームページを運営している場合、プラグインを数多く導入したことが原因で、ページの読み込み速度が遅くなり、不具合が生じることがあります。不必要なプラグインをすべて削除することで動作がスムーズになり、快適に表示されるようになります。
アクセス解析
ホームページの管理では定期的にアクセス解析を実施して、Web集客の成果がどの程度得られているのかをその都度把握しておくことも重要です。
アクセス解析の対応領域は幅広く、Googleアナリティクスなどの専用のツールを活用することによって、以下のようにさまざまなデータを取得することができます。
・自社サイトへの訪問者数 (ユーザー数・セッション数)
・各Webページの閲覧回数 (PV = ページビュー)
・直帰率 (1ページのセッション数を全セッション数で割り算して算出された数値)
・滞在時間 (ユーザーがWebサイト内にとどまる時間)
・離脱率 (Webページの表示回数に対してユーザーの離脱行動が発生した割合)
・自社サイトにどこから訪問して来たのか流入経路を把握 (検索エンジン・Web広告・SNSなど)
・コンバージョン数 (商品購入・お問い合わせ・見積もりの申し込み・無料資料請求・予約・応募・会員登録などのユーザーの行動や成果)
アクセス解析で取得したデータを活用することで、サイト内でどのコンテンツに人気が集中しているのか、ユーザーがどこで離脱してしまったのか、流入経路が明確化されます。これによって現状の課題点が浮き彫りになり、最適な改善施策を見つけることができます。
お問い合わせ対応
ホームページの管理では、ユーザーに対してのお問い合わせ対応も極めて重要な業務となります。自社サイトにお問い合わせフォームを設置している場合や、お問い合わせ先のメールアドレスを公開している場合は、ユーザーからの質問やお問い合わせにはスピード感をもって対応すべきです。
ホームページにお問い合わせフォームを設置することで、企業の窓口としての役割を担い、ビジネスを円滑に進めるためにも大切な接点となります。
ホームページの管理を行う際のお問い合わせ対応では、具体的に以下の内容が含まれます。
・メールフォームに不具合が発生していないか確認、必要に応じて修正する
・必須項目が多すぎてユーザーが入力しづらい場合はEFO (Entry Form Optimization = エントリーフォームの最適化) を実施して使いやすくする
・メールフォームからの送信直後にユーザーに届く自動返信メールの設定の確認
・安全な運営を維持するためにスパム対策を実行する (ウイルス感染や情報漏洩を防止)
・お問い合わせ内容のデータ集計を実施する
自社サイトにメールフォームを設置することで、ユーザーからのお問い合わせがもっとも多く集中する時間帯や曜日がわかるようになります。多くのユーザーから同じような質問を受けることもあります。これらのデータを集計・分析して、「よくある質問」 (FAQ) のページをリニューアルして、ユーザーの疑問に回答することで安心感を与えることができます。
トラブル対応
ホームページ公開後にさまざまなトラブルが発生した際に、早めに解決させることが重要となります。ホームページ運営で起こりうるトラブルには、以下のように多岐に渡ります。
・ホームページが表示されなくなった
・重要なデータが消失した
・不正アクセスを受けた
ホームページが表示されなくなった場合、サーバー側に問題が発生して、一時的にシステムエラーになっている可能性が考えられます。予期せぬサーバー攻撃でサーバーがダウンしたことが原因でホームページが表示されなくなり、システムが正常に稼働しなくなる恐れがあります。
重要なデータを紛失しないように、データのバックアップを取っておくなど、早めに適切な措置を講じておくことも重要です。
不正アクセスによるWebサイトの改ざんを防ぐために、アクセス制御・2段階認証・多要素認証 (2種類以上の組み合わせによる認証システム) などの適切なセキュリティ対策を万全に行いましょう。
ドメイン、サーバー管理
ホームページを長期安定的に運営するには、ドメインとサーバーの管理が必要不可欠となります。
ドメイン管理の重要性
ドメインとはインターネット上の住所や所在地にあたる部分で、WebサイトのURLのことを指します。 (【例】abcdefg.com / abc1234.jp などのアルファベットや数字の文字列で表す)
ホームページを制作する際に、レンタルサーバーの契約とは別に独自ドメインを取得している場合は、有効期限がいつまでなのか必ず確認し、期限が近づく頃には更新手続きを忘れないように注意しましょう。
独自ドメインを他の業者に乗り換える場合は、その引き継ぎとしてドメイン移管の手続きも行います。ドメイン利用料の支払い方法をクレジットカード決済で自動更新に設定している場合は、銀行口座の残高不足やクレジットカードの有効期限切れにはご注意下さい。
サーバー管理の重要性
ホームページを長期的に運営していく上で、レンタルサーバーの契約後は、管理を適切に行うことが重要となります。
サーバーとは、Webサイトやブログの公開、データベースの確保、ファイルの共有、メールの送受信、暗号化通信のSSLなどに利用できるインターネット上のサービスです。ホームページ公開後は記事コンテンツや画像、顧客の会員情報など、重要なデータが保存される場所となります。
サーバー管理では以下のような業務内容があります。
・サーバーの契約更新手続き (月払い・半年払い・年払いなど)
・通信データ量の監視
・サーバーに通信障害が発生した際の復旧対応
・プログラムやデータベースのバージョン管理 (PHP・MySQLなど)
・有料SSL (SSLサーバー証明書) の更新手続き
有料SSLを契約していて有効期限切れになると、SSLサーバー証明書 (電子証明書) が発行できなくなり、通信データの暗号化の処理ができなくなりますのでご注意下さい。
ドメイン失効のリスクと対策
サーバーと同様にドメインには契約期間と有効期限が定められています。
ドメイン契約の更新手続きや支払いをしなかった場合、有効期限が過ぎた後に独自ドメインが使えなくなり、「ドメイン失効」となります。ドメイン失効後はレンタルサーバーから提供される共有ドメイン (サブドメイン) にURLが変更されます。ユーザーが独自ドメインのURLをお気に入り登録していた場合、独自ドメインの失効後はWebサイトが正常に表示されなくなります。
・ドメイン復旧に追加で費用がかかる
ドメインの契約更新の手続きを怠っていて、有効期限が切れた後に復旧させたい場合は、復旧作業にともなう費用が加算されることもありますのでご注意下さい。
・失効から一定以上の期間経過で中古ドメインとして再販
ドメインが失効した場合、一定以上の期間が経過した後は、中古ドメインとして再び販売されるケースがあります。中古ドメイン業者のサービスサイトから申し込みすれば、誰でも取得できるようになります。
タイミングが良ければ同じドメインを再度購入することは可能ですが、悪質な中古ドメイン業者も存在しているため、要注意です。すでに他の企業や個人にドメインを買い取られた場合は、悪用されるリスクがあります。
システム調整
ホームページの管理におけるシステム調整とは、以下のような作業内容となります。
・テーマ・プラグイン・テンプレートのアップデート
・WordPress・ECシステム・PHPのバージョンアップ
・ホームページで動的な要素 (画像の自動切り替えなど) がある場合はJavaScriptの動作確認
・セキュリティパッチ (OSやアプリの脆弱性を修正するプログラム) の適用
・新しい機能やシステムを追加する場合はプログラム改修や動作確認
上記のように、各項目について定期的に動作確認やバージョンアップを行い、最新の状態に維持します。
システム調整の作業を怠った場合、セキュリティホールが発生して、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃を受けるリスクが高くなります。とくにWordPressなどのCMSでホームページを運営している場合は、使用しているバージョンが古いと、表示崩れやシステムの不具合が発生することがありますのでご注意下さい。
ホームページ管理費、維持費の相場|~5,000円、50,000円~、金額別でできること
自社のホームページで安定した運用を行うには、長期継続的に管理・保守していくことが重要となります。
ホームページの管理にかかる費用は、「自社でどの範囲まで対応するか」「外部委託する際にどんな作業内容を依頼するか」によって、大きな違いが出てきます。「ホームページの管理や運用代行をすべて制作会社に依頼したら費用が高額になった」というケースもよくあります。そのような失敗を未然に防ぐためにも、ホームページの管理費や維持費がどの程度かかるのか、費用相場を把握しておくと安心です。
ここでは、ホームページの基本的な管理・維持費の費用相場、オプション対応の費用相場についてご紹介します。
基本的な管理費
ホームページの安全な運営を維持していくための基本的な管理費として、サーバー・ドメイン・SSLサーバー証明書・コンテンツ更新の費用といった項目があります。各項目の費用相場は以下の通りです。
サーバー費用
サーバーとは、ホームページに含まれる情報の管理やWebサイトを公開するために必要なインターネット上のスペースやデータベースです。ホームページを公開する際には、レンタルサーバーの業者と契約して、初期費用や月額費用を支払います。ホームページの種類や規模、コンテンツのボリュームや容量、レンタルサーバーのタイプによってもサーバーの費用相場が変わってきます。
サーバーの種類は共用・専用・VPS (仮想専用)・クラウドの4つのタイプがあります。サーバーの種類・特徴・メリット・注意点・月額の費用相場・主な用途・事例について一覧表にまとめたので、参考にしてみて下さい。
●サーバーの種類・特徴と費用相場一覧表
サーバーの種類 | 特徴・メリット・注意点 | 費用相場 初期費用 / 月額 | 用途・事例 |
---|---|---|---|
共用サーバー | ・1台のサーバーを複数名のユーザーで共有するサーバー ・初期費用や月額費用が安くて管理しやすい | 0円 ~ 数千円程度 / 500円 ~ 2,000円 | ・ページ数の少ない小規模なサイト ・個人のブログ ・起業したばかりの中小企業など |
専用サーバー | ・1台のサーバーを1ユーザーで独占して利用するサーバー ・他のユーザーからの影響を受けることがなく、パフォーマンスが安定している ・用途に応じて設定変更が可能でカスタマイズ性に優れている ・専用サーバーの管理には専門的な知識が必要 | 数万円 ~ 数十万円 / 10,000円 ~ 50,000円 | ・大規模な企業やECサイト ・アクセスが集中するWebサイトに最適 |
VPS (仮想専用サーバー) | ・1台の物理サーバーを仮想的に分割して専用環境を構築 ・サーバー管理や設定を自分で行うため、専門的な知識が必要 | 0円 ~数千円程度 / 1,000円 ~ 5,000円 | ・中小企業 ・大企業 ・サーバー管理に関する専門的な知識のあるWeb担当者や個人 |
クラウドサーバー | ・クラウド上の環境に設置されたサーバー ・複数のデータセンターにサーバー機能が分散されているため機能停止に陥るリスクが低く災害に強い ・セキュリティに強くカスタマイズ性や拡張性に優れている | 0円 ~ 100,000円 / 3,000円 ~ 30,000円 | ・複数のWebサイトを運営する企業やお店 ・大規模なWebサイトを運営する企業 |
サーバー費用は毎月その都度払いにするよりは、半年払い・12ヶ月払い・3年払いなどまとめて支払うことで割引され、費用の負担を抑えることができます。
現在利用中のサーバー環境から別のサーバー環境に移動する場合は、5万円~10万円程度のサーバー移行費用がかかる場合がありますのでご注意下さい。
ドメイン費用
ドメインとはインターネット上の住所で、IPアドレスを文字列で表したものです。お店や企業、ブランド名など独自の文字列を選んで取得したドメインのことを独自ドメインと言います。
独自ドメインの末尾につく「.com」「.jp」「.info」などさまざまな種類があり、それぞれの料金設定には違いがあります。
ドメインを取得する際にかかる費用の目安 | 1,000円~3,000円程度 |
---|---|
更新費用 | 年間1,500円~4,000円程度 |
●ドメイン別の費用相場
「.com」「.net」 | 年間2,000円前後 |
---|---|
「.co.jp」「.jp」 | 年間3,000円~5,000円程度 |
ドメイン管理を委託している事業者を変更する際には、移管手数料として1,000円~5,000円程度の費用がかかる場合があります。
SSLサーバー証明書の費用
自社のホームページにSSLサーバー証明書を導入すると、URLが「https://」で始まるアルファベットの文字列で表示され、電子証明書が発行されます。
SSLサーバー証明書の費用相場は、取得するドメイン数や認証レベルの種類によって格差が生じます。レンタルサーバーのプランによっては、有料のSSLサーバー証明書の料金が含まれる場合があります。
認証レベルの種類 / 認証レベル | 特徴 | 年間の費用相場 | 用途・事例 |
---|---|---|---|
ドメイン認証 (DV = Domain Validation) ★ | ・低コストで運用できる ・ドメイン所有者の確認のみで発行スピードが速い | 数千円~ 1万円前後 | ・個人事業のWebサイト・ブログ ・中小企業 |
企業認証 (OV = Organization Validation) / ★★ | ・企業の実在性を証明できるため信頼性が高まる ・電子証明書に企業名が表示される | 2万円 ~ 5万円程度 | ・サービスサイト ・企業のWebサイト |
EV認証 (EV = Extended Validation) / ★★ | ・もっとも厳格な認証過程をクリアした電子証明書 ・フィッシング対策としても有効性が高いく信頼されやすい | 5万円 ~ 15万円程度 | ・大企業や金融機関 ・個人情報の会員制サイト |
無料独自SSL / ★ | ・完全無料で更新手続き不要 ・独自SSLの設定作業はユーザーが手動で行う | 無料 | ・個人事業のWebサイトやブログ |
コンテンツ更新費用
ホームページに掲載されている情報の修正・変更、最新情報や記事コンテンツを追加した場合は、コンテンツ更新費用がかかります。
テキスト (文字・文章) のみの更新を外注 | 3,000円~1万円程度(1ページあたり) |
---|---|
画像の差し替えを依頼 | 5,000円~15,000円程度 |
Webデザインの複雑な調整を依頼 | 2万円以上 |
コンテンツの更新頻度が高い場合はその都度単発で外注するよりも、月額定額制の料金プランを契約した方が割安になるケースもあります。
オプションで対応した方が良い項目の費用
ホームページの管理を依頼する際には、基本的な管理費・維持費に加えて、運用効果を高めるためのオプションサービスを利用することもあります。
基本的な管理費・維持費とは別のオプションサービスで代表的なものを挙げると、CSMツールなどのメンテナンス費用・アクセス解析費用・SEO対策費用があります。
CMSツールなどのメンテナンス費用
WordPressやEC-CUBEなどのCMS (コンテンツ・マネジメント・システム) でホームページを制作した場合は、システムやプラグインのバージョンアップ、セキュリティパッチの適用が必要となります。
システム不具合が発生した時の修正対応を含めたメンテナンスを委託することで、突発的なトラブルを防ぎ、安全性を高めます。
メンテナンス費用の相場は月額3,000円~10,000円程度が目安となります。
アクセス解析費用
Googleアナリティクスなどの専用ツールを駆使したアクセス状況の分析や報告書作成も、ホームページ管理では重要となります。
アクセス解析を委託する際の費用相場は、月額5,000円~15,000円程度です。単発で依頼する場合は報告書作成も含め、1回あたり10,000円程度の費用がかかります。
Webサイトの訪問者数・流入経路・閲覧履歴を把握して、効果測定や現状課題を把握しておきたい場合は、とくにおすすめです。
SEOなどの対策費用
Web集客に注力するのであれば、Googleの検索上位に表示させるためのSEO対策も重視されます。SEO対策の対応領域は幅広く、ターゲットキーワード選定・内部リンクの構築・コンテンツの最適化・被リンク獲得・サイト構造の改善・XMLサイトマップ作成など、多岐に渡ります。
簡易的なSEO対策は月額1万円~3万円程度ですが、本格的なSEOコンサルティングや効果検証・改善施策まで求める場合は、月額5万円~数十万円かかるケースもあります。外注する内容が多けれど多いほど高額になりがちですが、Web集客における費用対効果を十分に見据えた上で、どの部分まで外注するのか慎重にご判断下さい。
~5,000円|ホームページの管理を自社で行う
ホームページの管理を自社で行う際に、管理費を極力節約したいのであれば、最安で月額5,000円以下の金額に抑えることもできます。
ドメイン費用、レンタルサーバー費用、SSL費用などが含まれる
5,000円以下の価格帯でホームページ管理を自社で行う場合は、レンタルサーバーの月額費用・独自ドメインの月額費用・SSLサーバー証明書の費用が含まれます。
これらの費用をすべて含めても、月額費用は3,000円~5,000円程度に収めることができます。
レンタルサーバーは月額定額制で半年払いや年払いも可能ですが、SSLサーバー証明書や独自ドメインは1年分の費用をまとめて一括で支払うのが一般的です。
5,000円~20,000円|格安料金を設定している業者へ委託できる
格安な料金プランを設定している業者であれば、ホームページ管理の月額費用を5,000円~20,000円程度に抑えることもできます。
ホームページ管理で最低限必要な更新とコンテンツの修正などが含まれる
5,000円~20,000円程度の価格帯では、定期的な記事コンテンツの修正や更新作業が含まれています。コンテンツの修正や更新作業では、テキストや画像の差し替え、月1~2回程度の更新作業などが含まれます。
「とくに頻繁に更新することはなく、基本的な管理やコンテンツの修正・更新作業はプロに一任したい」という個人経営の方や中小企業にとっては、コスパが良くてサービス品質とのバランスが取れた料金体系です。
更新頻度が少ない場合や、ホームページの管理で必要最低限のサポートを求める場合に適しています。
ただし、新規コンテンツ作成や海外言語への多言語化対応、大幅なWebデザインの修正・追加を希望する場合は、別途費用がかかりますのでご注意下さい。
20,000円~50,000円|充実した内容を業者に委託できる
ホームページ管理の費用が月額20,000円~50,000円程度の場合は、基本的な内容に加え、自社の求めるニーズに応じて多彩な管理業務を業者に委託することが可能です。
管理コストは高くなりますが、充実した内容の管理を全て制作会社に一任できるのが大きなメリットです。
定期的な更新や障害などのトラブル対応、簡単なレポート作成、アクセス解析などが含まれる
管理費が月額20,000円~50,000円程度の場合は、自社サイトへの訪問者数・流入経路・コンバージョン数などのアクセス解析、簡易的なレポート作成でホームページの運用状況を定期的に報告するサービス、システム障害や通信トラブル発生時の対応など、広範囲に渡って丁寧にサポートしてもらえます。
ホームページ運営の安定化を図り、企業の信頼性やビジネス成長に導くために必要不可欠なサービスが受けられます。
50,000円~|本格的なコンサルティングサービスも受けられる
ホームページの管理で月額費用50,000円以上の場合は、Webマーケティング戦略やSEO対策、ブランディングやWebプロモーションなど、本格的なコンサルティングサービスを受けることができます。
運営や管理の他、効率的な集客方法などのアドバイスを受けられる業者に委託できる
月額50,000円以上で外注できる業者であれば、基本的な管理や運用代行サービスにとどまらず、効果的な集客方法について適切なアドバイスや指導を受けることも可能です。
具体的なサービス内容として、ターゲット市場の分析・調査、競合他社の動向を踏まえた集客施策の提案が含まれます。SNS広告やWeb広告の効果的な活用方法など、自社の目的や目標に沿った最適なWeb集客戦略を提案・実行して、効果検証や改善施策まで綿密なサポートで、費用対効果 (ROI) の最大化に繋げる効果も期待できます。
高額な費用がかかりますが、自社のWebサイトを活用してビジネス成長やブランディングを目指す企業にとっては、大きな投資効果が得られる可能性が高いです。
制作会社にホームページ管理を委託する場合のメリット・注意点
ホームページを安全に運営していくためには、自社ですべて管理するべきか、制作会社に委託して運用代行してもらうのか、2つの選択肢があります。
「自社ではホームページ管理に関する専門的な知識のある人材がいない」「仕事が多忙で十分な時間が取れない」「何から着手すれば良いのか、やり方がわからない」といった理由で、制作会社に委託するケースも多いです。
ここでは、自社でのホームページ管理と外部委託との違いを踏まえた上で、制作会社に外注する際のメリット・デメリット・注意点についてご紹介します。
制作会社に委託する場合のメリット
ホームページの管理を制作会社に委託することによって、以下のようなメリットを得ることができます。
ホームページの管理に関する専門的な知識や技術を活用
ホームページの管理では作業範囲が幅広く、専門的な知識や技術が要求されます。とくにSEO対策やアクセス解析などのWebマーケティングを自社で完結させるのは難しいです。
ホームページの管理 (運用・保守・更新など) を制作会社に委託することによって、以下の分野における専門的な知識や技術を活用することができます。
・ホームページの安全な運営を維持するためのセキュリティ対策
・サーバーやドメインの設定・管理
・Web集客の効果を高めるための改善施策
・コンテンツ作成や更新作業
・WordPressの最新バージョン確認やアップデート
上記の内容について不明点があれば、制作会社のスタッフに尋ねておくことで適切なアドバイスをしてもらえるのも大きなメリットです。
ホームページ運用における戦略的な改善施策を提案してもらえる
他社との競合に打ち勝つためには、ホームページ運用におけるWebマーケティング戦略が重視されます。制作会社に委託すれば、SEO対策・アクセス解析・SNSの活用・メルマガ配信・Web広告運用など、自社の求めるニーズに沿った最適な改善施策を提案してもらえるのも大きなメリットです。
修正・更新作業の対応がスピーディー
ホームページ管理では、Webサイトに掲載された古い情報を最新の情報に書き換えるなど、修正・更新作業が必要不可欠となります。複数の修正・更新作業を自社の社員だけでこなすのは難しく、時間や労力がかかります。
一方、このような業務を制作会社に委託しておけば、テキスト (文字・文章) の差し替え、新製品販売やキャンペーンなどの最新情報の追加、バナー変更などの作業を安心して一任できます。
コンテンツ作成やWebデザインの経験豊富なスタッフが担当するため、外注してから最新情報に更新されるまでの期間が短いです。スピード重視で対応してもらえるため、インターネット上で発信したい情報が速やかにユーザーに伝わり、Web集客の観点からも有利になります。
トラブル発生時にスピード重視で対応
ホームページを運営していく上で、不正アクセスやサーバー攻撃など、さまざまなトラブルが発生することもあります。このような突然のトラブルが発生した際に、自社では専門的なノウハウを持たないため、適切な対応ができません。
一方、制作会社などの専門業者に委託しておけば、万が一のトラブルが発生した際にもスピード重視で的確な対応をしてもらえます。とくにセキュリティ面に関しては、24時間対応のサポートに対応できる業者であれば、リスクを最小限に抑えることができます。
注意点
ホームページの管理を外部委託することで、コンテンツ作成や最新情報への更新、Web集客戦略やセキュリティ対策など、さまざまなメリットが得られる一方、デメリットや注意点もあります。
制作会社に外注する前に、以下のデメリットや注意点があることを知っておいて下さい。
サーバーとドメインの契約は自社で行う
ホームページの管理を制作会社にすべて丸投げしていては管理費が高額になり、予算オーバーになってしまいます。最低限自社できることを着実に実行しておくことで、管理コストを抑えることができます。
管理費を抑えるためにも、レンタルサーバーや独自ドメインの契約は自社で行うのが基本です。
ドメインやサーバーの契約や更新手続きを制作会社に委託した場合、「サーバーやドメインの管理者が業者側であったため、移行手続きが難しい」といった問題が発生します。そのようなトラブルを未然に防ぐためにも、サーバーとドメインの契約や更新手続きは自社で完結させるのが最善策です。
自社で行う際にはログインIDやパスワードの管理を適切に行い、有効期限切れになっていないか定期的にチェックして、期限が近づく時期が来たら必ず更新手続きを行いましょう。
サーバーやドメイン契約の有効期限が過ぎた後に更新手続きを行うと、「契約期限切れ」とみなされる場合があります。初期費用やドメイン復旧の費用が発生することもありますので、余分な費用を払わずに済むようにご注意下さい。
自社の更新頻度に合わせて契約形態を選ぶ
ホームページに掲載されているコンテンツの量や更新頻度を考慮した上で、最適な料金プランや契約形態をお選び下さい。「更新作業の対応範囲は1ヶ月に何回までか」「作業内容に制限があるか」など、各社の料金プランや対応範囲を把握した上で、ニーズに見合う業者や料金プランを選定しましょう。
具体的な事例を挙げると、ホームページの更新を頻繁に行う場合は、月額定額制の料金プランが適していますが、更新頻度が少ない場合はスポット対応型の料金プランの方がムダな支払いがないため、管理費を安く抑えることができます。
価格だけで選ばない
自社の予算が限られているため、「ホームページ管理にかかる費用を安く抑えたい」といった価値観で業者を選びがちですが、価格だけを重視して判断するのは間違っています。
価格の安さばかりを強調する業者には、とくに要注意です。専門分野や対応範囲が少なく、サポート品質が低いなど、何らかの問題点があります。
ホームページの管理では安全に運営するためのセキュリティ対策や、Web集客施策などの要素も欠かせないため、丁寧にサポートしてくれる信頼性の高い業者を選定しましょう。
どこまで依頼するか決める
ホームページの管理を外部委託するとはいっても、1から10まですべてを一任する必要はありません。制作会社に依頼する前に、まずは自社でどの範囲まで無理なく対応できるのか、よく考えてみて下さい。
外注する作業範囲が明確になっていないと管理費がかさみ、適切なサポートが受けられずに、トラブルの原因となることもありますのでご注意下さい。
「サーバーや独自ドメインの管理や記事コンテンツの更新は自社で行い、セキュリティ対策やWeb集客施策は制作会社に一任する」といった形で、自社では賄えない部分は制作会社にカバーしてもらうなど、役割分担を明確化しておくのが重要ポイントです。
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今回の記事では、ホームページ管理の必要性と具体的な業務内容、ホームページの管理を制作会社に外注する際の管理費・維持費の費用相場について解説しました。
自社でホームページの更新・管理を行う方法と、ホームページ制作会社に外注する方法を比較して、外部に委託するメリットや注意点もお伝えしました。
自社のホームページ制作が完了したらそれで完結ではなく、公開後はWebサイトの運営が始まり、その後の運用・保守・管理業務が中長期的に継続します。Webサイトの運用期間中には定期的に更新作業を行い、安全に運用するためのセキュリティ対策・SEO対策・アクセス解析・Webシステムの調整・Webマーケティングなど、さまざまな施策への取り組みが重要となります。
・日々の仕事内容をこなすのが精一杯でホームページの運用・保守・管理にまで手が回らない
・ホームページの管理やセキュリティ対策に関する専門的な知識や技術がなく何から着手すれば良いのかわからない
・ホームページ管理について専門家の観点からアドバイスしてほしい
・ホームページの管理から更新作業・運用代行業務まで安心して一任できる信頼性の高い企業に外注したい
・ホームページ制作・管理・更新作業で補助金活用にも柔軟に対応できるIT企業を探している
上記のようなお困りごとがありましたら、東京都の株式会社アップグレードへどうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
創業20年のアップグレードでは、企業の認知度やブランド力を高めるためのWebサイト制作、サイト公開後の運用・保守・管理・更新作業、Web集客と売上アップに繋げるSEO対策やWebマーケティング戦略まで、ワンストップで対応いたします。「ホームページの運用・管理にかかる費用を節約したい」といったご希望にもフレキシブルに対応しております。
アップグレードでは、国や地方自治体による補助金・助成金活用にも積極的に取り組み、ホームページ制作や運用・管理にともなう費用削減の実現に向けてサポートします。補助金・助成金活用に関するご質問やご相談がありましたら、メールフォームにて24時間いつでもお問い合わせ下さい。